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【ワーママお悩み相談!(後編)】夫婦の役割分担・キャリアの悩みを動物学者に相談

【ワーママお悩み相談!(後編)】夫婦の役割分担・キャリアの悩みを動物学者に相談

「育児の悩み(前編)」に引き続き、今回の後編でもワーママが抱える悩みを、イラストレーターとして活動しているワーママの原あいみが、動物学者の今泉忠明さんに相談!前編では「悩みの沼にハマるから、そんなに深く悩まない方がいい!私たちより過酷な環境の中で、動物たちは悩むことなく力強く生きているのだから...」という、早々に企画終了か?というアドバイスから始まり、子育てのポイントについて教えてもらいました。そして今回の後編では夫婦関係・キャリアについての悩みをピックアップ!動物たちの生態から、夫婦の役割分担問題や子育てと仕事の両立問題などの悩みを見つめることで、解決のヒントが見つかりました。(この記事は前・後編の全2回となります)

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プロフィールイラスト

今泉 忠明(いまいずみ ただあき)

1944年、東京都生まれ。動物学者。東京水産大学(現・東京海洋大学)卒業後、文部省(現・文部科学省)の国際生物学事業計画(IBP)調査、日本列島総合調査、環境庁のイリオモテヤマネコ生態調査などに参加する。上野動物園動物解説員、(社)富士市自然動物園協会研究員、伊豆高原ねこの博物館館長、日本動物科学研究所所長などを歴任。主な著書に「ボクの先生は動物たち」(ハッピーオウル社)、「動物たちのウンコロジー」(明治書院)、監修書に「ざんねんないきもの事典」(高橋書店)、「いきもの人生相談室 動物たちに学ぶ47の生き方哲学」(山と溪谷社)ほか多数。

ワーママお悩み相談室、後編始まります!

2度目のこんにちは、イラストレーターの原あいみです。

家事に育児に、そして仕事に奮闘中!な私が、動物学者の今泉忠明先生に様々な悩みを相談する「ワーママお悩み相談室!」前編では、トラやオラウータンなどの動物の生態を通じて、子どもの飽き性問題や甘えん坊問題を解決するヒントを見つけることができました。

前編の動物たちのおつげ

トラ(ネコ科動物)の生態から見出した、「子どもの飽き性問題」との向き合い方。

003227_03i.png

そして後編となる今回は、夫婦関係・キャリアの悩みについて相談していこうと思います。

ワーママのお悩み表

前編では①と②の悩みを相談しました。今回は③と④の悩みを相談していきます。

それでは後編、スタートです!!

オシドリはおしどり夫婦じゃない!?動物界の夫婦関係とは?

オシドリのイラスト

原さん

今泉先生、続けてよろしくお願いいたします。後編では、夫婦のことを中心にキャリアのことなどもお伺いできればと思っています。

はい。よろしくお願いします。

今泉先生

まず始めに、動物たちにはどういった夫婦関係があるのかを教えていただけますか?

動物界には、大きく分けると3種類の夫婦関係があります。①繁殖期だけペア型、②ずっと一緒にいるペア型、そして③オス1匹が複数のメスと生活するハーレム型です。動物のほとんどが①のタイプで、繁殖期が終わるとオスとメスはそれぞれ別で暮らすようになります。

今泉先生
原さん

そうなんですね。私たちヒトの夫婦に近いのは、②のタイプですね。

はい。②の代表的な動物としてあげられるのが、ハクチョウ、コウテイペンギン、オオカミ、キツネ、テナガザルなど。鳥類、イヌ科、サルの一種に少しいる程度です。

今泉先生
原さん

だから、仲睦まじい夫婦のことを「おしどり(鳥)夫婦」って言うのかなぁ。

言葉の由来はそうなのですが…、実は…、オシドリという動物は①の繁殖期だけペア型なんですよ。

今泉先生
原さん

えぇーー!!!

繁殖期にオスとメスがピッタリ寄り添っている様子から、仲の良い夫婦のことを「おしどり夫婦」と言うようになったのですが、オシドリは一生同じパートナーと添い遂げることはないんです。

今泉先生
原さん

(オシドリって、おしどり夫婦じゃないんだ…、なんだか、少しショック)。

きびしい自然環境の中で子孫を残していくためには、繁殖期だけペアでいる方が合理的だったため、といわれています。そして、そのほかの②・③タイプの動物たちも合理性や効率を踏まえて、今のような夫婦関係になっていると考えられています。

今泉先生
原さん

自然環境で生き残るための背景には、複雑な理由がいろいろあるのですね…。

そうですね。ヒトみたいに、優しさとか思いやりを持って夫婦関係を築いている動物ってそうそういないのです。前編で、ヒトは社会性動物とお話しましたが、この思いやりや優しさという感情を持っているのも社会性動物ならではの特徴です。

今泉先生
原さん

なるほどー。

そして、この思いやりや優しさが、ヒトの夫婦関係では何よりも大切です。ちゃんとパートナーのことをサポートできるような関係性がないと、円満な家庭は築けないですよね。

今泉先生
原さん

そうですよね。でも先生…、次の悩みにも関わってくることなのですが、忙しい時期になるとイライラしたりして、その思いやりをちゃんと持てていない気がします。

忙しいと自分のことだけで手一杯になるため、そうなるのは当たり前です。まずは、円満な家庭を築くためにも、余裕を持って暮らすことを意識してみると良いと思いますよ。

今泉先生
原さん

余裕…。

はい。体力的余裕・金銭的余裕・時間的余裕など、様々な要素はあるのですが、余裕がないと周りのヒトに優しく接することはできません。

今泉先生
原さん

確かにほしい。では、余裕を持って暮らすためにはどうすればいいか?次の悩みも踏まえて具体的にお話させてください!

動物たちのおつげ⑤

003227_09i.png

夫婦でどう役割分担をして、育児・家事と向き合っていけばいいかわからない

夫との家事分担問題エピソードのマンガ

原さん

共働きのご家庭では、夫婦での家事分担について悩んでいる方も多いみたいです。仕事が落ち着いている時期はしっかり家事もこなせるけど、仕事が忙しい時期になると手が回らなくて困っているという…。

ひと昔前のように、パパは仕事に、ママはおうちのことに専念するといったように、夫婦で役割を完全に分けることが難しくなっていますよね。

今泉先生
原さん

そうなんです。お互いの状況を見て助け合うことが大切だとは思うのですが、それがなかなかうまくできなくて…。家事の負担が原因でストレスを感じて、パートナーに不満をぶつけてしまうこともあるし、逆に自分の方ができていなくてイライラされているなと感じたり。

一度、「完璧に家事をする!」という考えを捨ててみるのはどうですか?

今泉先生
原さん

どういうことでしょうか?

仕事が落ち着いている時も、忙しい時も、同じように家事をこなそうとすること自体が、そもそも無理があるのかなと思うのです。

今泉先生
原さん

確かに、そのとおりですね…。

前編の【パパ好き・ママ好き偏り問題】の際に、夫婦で家事・育児の分担が偏るのは良くない、とお伝えしたのですが、家事の妥協点なども事前に話し合っておくことが大切です。

今泉先生
原さん

妥協点ですか…?忙しい時期は掃除や洗濯の頻度を少し減らしてみるとかですかね…?

そうですね。毎日、掃除や洗濯をしなくても生活上で大きな問題が起こることはありません。時間が少ない中で、無理してパーフェクトに家事をこなそう!と考えるのでなく、先ほどお話した「余裕を持つ」ための妥協点も一緒に話し合った方が良いですよ。

今泉先生
原さん

仕事しながらもキレイなお部屋〜♪ …は理想ですが、その理想にとらわれて自分を苦しめているのかもしれませんね。

それに、イライラするのもやはり余裕がないからです。イライラを、子どもやパートナーにぶつけてしまう時って、ほかになにか原因があったりしますよね。

今泉先生
原さん

あぁ、わかります。子どもは悪くないのに、時間に追われていることのイライラを子どもにぶつけてしまったり…。

野生の動物たちは、そういったイライラすることがないんですよ。それは自然のリズムに合わせて、余裕を持って暮らしているからなんです。

今泉先生
のんびり暮らすジャイアントパンダのイラスト

生活のリズムが崩れてイライラしている時は、一度ジャイアントパンダを見習ってみるのも良いかもしれません。周りに左右されることなく、彼らは本当にマイペースに生きています。

今泉先生
原さん

確かにのんびりしている姿を動物園などでもよく見ます。

子どもが木から落ちても、あまり気にしません(笑)。

今泉先生
原さん

それは絶対、真似できない!!!(笑)

(笑)。でも、イライラしているなと感じたり、忙しくて余裕がなくなってきたと思う時は、子どもと少し距離を取るのはいいかもしれません。そういった時こそ、少しの間子どもに動画を見ていてもらって、違う部屋でクールダウンするとか!

今泉先生
原さん

パパと過ごす時間、ママと過ごす時間、と分けて、お互いひとりになれるようにするとよさそうですね。

そうですね。忙しい時期こそ、「あれもしなきゃ!これもしなきゃ!」と焦って自分を追い込むのではなくて、自分のペースを保つにはどうすればいいか?を先に考えてみるといいと思いますよ。

今泉先生
原さん

そのために、すべてを完璧にする!という意識ではなく、妥協点を見つけるか…。今度、忙しい状況になった時は、ジャイアントパンダになって妥協点を考えてみようと思います(笑)。

動物たちのおつげ⑥

自分のキャリア形成をどうすればいいかずっと考えている…

キャリアと育児の両立問題エピソードのマンガ

原さん

最後はキャリアに関する悩みです。仕事を頑張って、いろいろ新しいことに挑戦したい!えらくなってお給料もいっぱいほしい!けど、子どもと一緒にいる時間ももっとほしい!という、簡単にいえば仕事と育児の両立問題についてです。あれもしたい、これもしたい!となるのは、ただのワガママなのでしょうか?

ヒトは動物よりも欲深いですからね〜(笑)。

今泉先生
原さん

そうですよねー(笑)。

ヒトの社会では、仕事と育児が分かれていますから、そういった悩みも出てくると思います。動物は、子孫を残すため、つまり、子どもを育てるために狩りをするし、子どもを守るために縄張りを確保しています。

今泉先生
原さん

育児のために働いている、ということですかね?

そうです。ヒトと動物はそういった意味でも、生きている環境が違います。ですが、「今、本当に大事なことは何か?」ということをよく考えて生活のリズムを築くことは重要です。

今泉先生
原さん

今、本当に大事なこと…。そう考えてみると、結局は子どもと過ごす時間が一番ですね。

そうですよね。

今泉先生
原さん

……。でも、先生!!じゃ、仕事を辞めよう。とはなれない。仕事は続けたいんですよ!!

もちろん!原さんも家族の幸せや、子どもをすくすく育てたいという思いから、仕事を頑張ったり、給料を上げたいと思っているはずです。ヒトも動物と同じで、生きるために働いています。ただ、子どもにストレスを与えたり、不安な気持ちにさせないようにする努力は必要です。

今泉先生
原さん

ん!?どういうことでしょうか?

夫婦共働きのご家庭だと、子どもがある程度成長してくると「なぜおうちにママはいないの?」という疑問を持ち始める時期があると思います。

今泉先生
原さん

あ、うちの娘もあります。保育園に通っていた頃までは特になかったのですが、小学生になると「○○ちゃんのママはおうちにいるのに、なんで私のママはおうちにいないの?」というように、ほかのご家庭と比べるようになっていて…。

そうですよね。子どもは成長して知能がつくと、ほかの家族と自分の家族の違いに目を向けられるようになるんです。そうなった時に、幼児期とは違ったストレスや不安をママやパパに対して抱くようになります。

今泉先生
原さん

なるほど…。でも、どうすればいいんだろう…。

大丈夫ですよ。大切なのは、会社がどういうところなのか?をちゃんとお話してあげることです。遊び感覚で、ママが社長で子どもが会社員みたいな、ママの会社ごっこなどをしても良いかもしれません。

今泉先生
原さん

おままごとならぬ、会社ごっこか…。

イヌ科やサルは出世を目指す動物?

出世願望があるイヌ科動物のイラスト

原さん

ちなみに、動物の中には、ヒトみたいに出世を目指す種類はいるのでしょうか?

イヌ科やサルなどがそうです。群れの中でえらくなるため、自分より上の立場の相手に戦いを挑みます。でも、その出世欲は子どものことを考えているからこそ出てくる行動です。

今泉先生
原さん

どういうことでしょうか?

子どもにいいものを食べさせたいとか、子どもがいじめられないような地位につきたいなどの考えからくるもので、欲望というよりも本能的な考えです。

今泉先生
原さん

あくまで最優先は、子どもということですね。

はい。そして、その親が挑戦している姿を子どもたちは見ています。

今泉先生
原さん

もし負けてしまったら…隠れたくなりますね。

ヒトの親だとそうなるかもしれません。しかし、前編でも言いましたが、そういうカッコ悪い姿も包み隠さず子どもに見せることが大切なんじゃないかなと私は思います。

今泉先生
原さん

良い時も悪い時も包み隠さず見せるか…。

子どもたちは、かっこいい姿も失敗する姿も見ながら育っていきますから。きっと、その両方を見せることで、ママもパパも家族のためにがんばってくれているんだと、子どもも気づいてくれますよ。

今泉先生
原さん

なるほど。もしかしたら、これまでは「親は立派じゃないといけない!」と変に思い込んでいたのかもしれません。これからは、「ママはあなたとも遊びたいし、お仕事もしたいから、ちょっと部屋散らかってるけど、ごめんね!!(笑)」って素直に言っちゃおう!

結局は、ヒトも動物の一種なんです。変に無理をしたり悩み過ぎたりせず、自分らしく生きることを考えた方が楽しいですよ。

今泉先生
原さん

わかりました。先生、今回はありがとうございました。

動物たちのおつげ⑦

マイペースに仕事も、家事も、育児も楽しもう

前編、後編を通じて、私たちワーママが抱えている様々な悩みを相談してみたのですが、最後に今泉先生が言っていた「ヒトも動物の一種。変に無理をしたり悩んだりしない方がいい」というひと言がすべてを総括している気がしました。

そして、イライラ、くよくよした時は、自分は動物だということを思い出し、動物レベルでちょっと俯瞰して、その悩みを見てみると良いのかなと思いました。

ジャイアントパンダになった原一家の様子をイラスト化

時には、こんな風にジャイアントパンダになったつもりで、マイペースに過ごしてみようかな〜と。

また、今泉先生は動物とヒトの夫婦関係を比較して「お互いに助け合いたいという気持ちや、相手を思いやるという感情など、ヒトならではのそういった考えはとても素敵なこと」ともお話していました。

これからは、動物の生態をヒントにしつつも、ヒトらしい感情を大切にして家族の幸せを考えていこうと思います。

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・当記事に掲載の情報は、執筆者、取材対象者の個人的見解で、ライオン株式会社の見解を示すものではありません。

この記事を書いた人

原あいみ

原あいみ

難しいことをわかりやすく“マンガ”で伝えることが得意なイラストレーター。小学1年生の娘を持つワーママ。

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